シュベスターピアノの歴史

手づくりの原点を求めて

日本初のピアノは、明治中頃に誕生しました。当時輸入されたヨーロッパのピアノを基に京浜地区で作られたのです。西川ピアノや、松本ピアノなど、ピアノメーカーとして草分け的存在です。
さらに新しいメーカーが生まれ、ここから多くの技術者を輩出したと言われます。その後日本においてのピアノ作りは、日本楽器製造(現ヤマハ)の創立以来静岡県浜松市が中心となって発展してまいりました。

京浜地区において浜松とは別の発展を遂げたピアノメーカーが数社ありました。
そんな時代の昭和4年(1929年)蒲田においてシュベスターピアノは誕生しました。第二次大戦後も復活製造を続けて昭和53年静岡県磐田に移転、「手作り」にこだわり守りながら現在に至っております。現在も活躍している国内メーカーとしては、ヤマハ、カワイに次ぐ3番目に古い歴史を誇り、その変わらぬピアノ造りはおよそ80年になろうとしています。

シュベスターとはドイツ語で姉妹の意味です。その繊細で艶のある音色はヨーロッパの伝統を受け継いでいます。現在では珍しくなっている「すべて手づくり」のピアノを守り、生産台数を限って、質の高い、表現力に卓越した音色を保っています。

 

<写真:シュベスター第1号機(昭和4年/1929年)>

田園調布の病院に納入。その後修復し現在は武蔵野音楽大学博物館に展示されています。